その生徒は、日頃から忘れ物も多く、成績も下から数えた方がはやい方でした。
地元の進学塾の入塾テストを受けましたが、一番下のクラスにも合格できませんでした。
中学校の教師からも、「○○君は最低です!」と宣言されるほど。
お母様は途方に暮れていました。
中学2年生が終わり春休みになった頃、私のところに個別指導の依頼がありました。
その頃の学力偏差値は45ということにしていますが、実際には40を切っていたかもしれません。
まず手始めに行ったのが、学力の底上げです。
一番弱かった理科について、簡単にまとまった参考書を与えました。
習ったことの無い範囲も含めて、春休み中に3回読破するように勧めました。
「騙されたと思ってやってみて。」
彼には失うものは何もありません。
やればやるだけ、学力が身に付きます。
その後の模試では、苦手な科目で高得点をとることができました。
生徒は、だれでも苦手な科目で高得点をとると嬉しいものです。
これを契機に、他の科目も順次底上げをしていきました。
夏休みを過ぎた頃には、学力偏差値は65まで伸びました。
12月には、とうとう68までになりました。
その後、有名進学校へ進学した彼は、一浪した後、早稲田大学へ進学しています。
さて、私の採った合格戦略のポイントをまとめてみましょう。
1.生徒の学力を正確に把握し、苦手科目の克服を徹底した。
2.各科目共に実践的な得点力をマスターさせ、総合偏差値の向上を図った。
3.早い時点で目標とする志望校を決め、出題傾向を分析し過去問を繰り返し解いた。
私を信じて愚直に実践した彼の取組は見事に実を結びましたが、
実際には、教材の見極めと与えるタイミングが非常に重要です。
彼の努力と指導のタイミングが合致したことで、飛躍的な成績の向上が実現したのです。
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