大学受験でビリギャルの受験戦略を分析する

今回は、ビリギャルの受験戦略を分析してみたいと思います。

まず、前提条件の確認です。
「1年で学力偏差値30を70に上げて。。。」、というのは真実とは言えません。

◆全く勉強が出来なかった子ではありません。
名古屋では名門お嬢様校である、金城学院中学校に入学しています。
  国語と算数の2科目受験ですが、キチンと受験勉強をして合格した実力の持ち主です。
元来、『地力』があった子なのです。

◆1年間でと言うのは誤りです。
厳密には、高校2年生の夏から受験勉強を始めています。

◆学力偏差値を70に上げたわけではありません。
英語、国語、日本史の3科目総合で70の実力があったわけではありません。
合格した慶応大学総合政策学部の学力偏差値が模擬試験の判定基準で70だっただけです。
しかも、総合政策学部は英語と小論文だけなので、他の大学と学力偏差値の比較ができません。
彼女は、第1志望が慶應の文学部で、当時の学力偏差値で65程度ですが不合格になっています。
明治大学文学部、関西学院大学文学部には合格しているので学力偏差値は60ぐらいです
総合的に判断すると、一番得意だった英語が学力偏差値65、3教科総合で60ぐらいだと思います。

さて、これらを踏まえた上で彼女の受験戦略を分析してみましょう。

◆母親の意識改革を行い、子供への接し方を変えた。
「何があっても、私はこの子の味方です。」と宣言できたこと。

◆早い時点で、未来の明るいビジョンを見せたこと。(マインドセット)
「慶應に行けば何か新しい人生が開けるかもしれない」と信じたこと。

◆受験科目を限定し、重点を置いて勉強した科目で勝負できる大学を選んだこと。
慶応大学総合政策学部は、英語と小論文だけで受験できます。
特に、文系科目に有利な英語の得意な指導者が親身になって指導したこと。

この3点は、受験戦略として必要かつ十分な条件です。
『母親の意識改革』『子供のマインドセット』『重点科目に絞った合格戦略』の3拍子が揃っています。

母親の意識が変われば、連鎖的に子供のマインドセットが可能になります。
子供のヤル気が出れば、『重点科目に絞った合格戦略』によって受験に対する集中学習が効果的に効いてきます。

結果として、『得点力』、『合格力』の両方がバランスよく身に付き、
結果として、『合格が向こうからやってくる』状況になります。

実際、彼女は慶應文学部受験の際にはお腹を壊し不合格に終わりましたが、総合政策学部受験時の英語の問題を見て、「解ける!解けるぞ!」と神が降臨したような状態だったようです。

結果的には、学力偏差値で決めた第一志望の文学部ではなく、『合格戦略』が実を結びやすかった総合政策学部に合格したのですから、「『合格戦略』を立てたときに結果が決まっていた。」とも言えます。

いかがでしょうか。

彼女のチャレンジは商業的にデフォルメされていますが、学ぶべきすべての要素が凝縮されています。

もう一つ、付け加えさせていただければ、彼女が『素直な心の持ち主』だったことです。

目標を決め、愚直に突き進んだ彼女の姿勢に拍手を送りたいと思います。

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