現役か浪人かの選択を迫られたとき、あなたならどうしますか。
私の一応の見解は、『大学受験後の選択。国立か私立か、現役か浪人か。』で書いたとおりです。
そこでは、主に3つの要素があるとしました。
1.経済的にも選択の余裕が許されているか
2.第一志望への思いが強いか
3.下位校での就職の有利・不利が気になるか
さて、実はこれをさらに整理すると、2つの基本命題に突き当たります。
本人にとって、
1.大学生活は、その後の人生にどのような価値をもたらすと考えられるか。
これは、人生経験を積んだ大人が助言してあげなければいけない部分ですが、
最終的には、本人がその価値を判断すべきです。
2.その結論として、どの大学で何を学びたいのか。
大学とは、単に勉強をするということだけではなく、
その環境や集う人たちから刺激を受け、大人としての人生を最初に学ぶ場です。
そこで、1番目の命題に関する物差し(判断基準)が必要になります。
一般的に語られる物差しは、
1.就職における経済力
学歴が人生に与える職業上の優位性
2.生き抜く力
物事の多様性を学ぶことによって得られるサバイバル能力
3.人間としての魅力
アカデミックな研究から得られる奥深い知性と教養
良く語られるのが1番目の物差しです。
浪人して、社会人になるのが遅れることによる不利よりも、
浪人して、より高い社会的地位を獲得することにかけた方が、
生涯年収が多いと判断するからです。
しかし、『終身雇用』が崩壊したと言える今日、
1番目の物差しだけでは生きていけません。
実は、これからの社会では、2番目の物差しが大切になります。
大学で学ぶことのできる学問は、今やオールラウンドです。
文系が理系の科目をとっても、理系が文系の科目をとっても、
卒業条件さえ満たしていればOKなのです。
逆に、そのような学際的素養を持ったジェネラリストでなければ、
これからの世の中では生きていけません。
ですから、もし、2番目の物差しで考えたとき、
浪人してまでして入りたい大学があるならば、浪人すべきです。
参考までに、その条件を挙げてみましょう。
・4年生の総合大学であること。
・オープン科目が豊富に用意され、好きな科目を取れること。
・他大学との履修上の交流があり、自由に学びの場を選べること。
・高い素養を持った人材が全国から集結して、お互いを刺激し合えること。
この条件をすべて揃えている大学を、知っていますか?
関東圏で言うならば、F-Campus(エフキャンパス)制度を導入している5大学が有名です。
F-Campus(エフキャンパス)は、東京23区内でも比較的に近隣に本部が所在する5大学によって2001年度から実施されている単位互換の制度および制度を実施するための協定です。
FiveやFreedomなどの頭文字であるFにかけて「f-campus」という名称が決められました。
かつて、早稲田大学理工学部と学習院女子短期大学が隣接していたため、2校間に存在した単位互換制度を母体として始めた制度です。
学習院大学の生徒が早稲田大学で学んだり、早稲田大学の学生が日本女子大学で学ぶこともできます。
もちろん、単位も認定されます。
もし、あなたが、
このような物差しで志望校を検討したことが無かったのであれば、
これからの人生のために、是非、考えてみてください。
実は、このような考え方をもって大学選びをすると、
1番目と3番目の物差しについては、オマケで付いてきます。
あなたが、この選択に成功すれば、
浪人したことによって得られる経済的効果は計り知れません。
もちろん、現役で受かれば、言うことはありませんが。。。
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