大学受験後の選択 国立か私立か、現役か浪人か

現役か浪人か

大手予備校で進路相談をしていた時のこと。

毎年、2月初旬頃から予備校の進路相談は活況を呈します。
相談の主は、その年に受験をしたが不本意な結果に終わった現役生です。

国公立大学を受験しない現役生は2月初旬から、国公立大学を受験した学生は3月中旬から、現役合格した併願校への進学か、浪人覚悟の初志貫徹か、と言う選択を迫られます。勿論、全滅だった場合には選択の余地はありません。

当然予備校の職員としては、予備校に入学してほしいわけです。
迷っているということは、迷うだけの条件が揃っているということです。

・経済的にも選択の余裕が許されている
・第一志望への『想い』が強い
・下位校での就職の有利・不利が気になる

と言うわけで、これだけ条件がそろっていれば、当然、浪人を勧めます。

国立か私立か迷う理由

そこで問題になるのが、国公立大学か私立大学かということです。

迷う理由としては、大きく2つ。

・浪人してお金がかかるので、国公立大学に入学したい。
・浪人するからには確実に上位校に合格したいので、私立大学一本にしたい。

当然、国公立大学受験は科目数が多いので受験生の負担になります。

現役時に国公立大学の一次試験で相応の点数をとれた生徒には、国公立大学狙いを勧めます。

絶対にお勧めしないのが、現役時に国公立大学を受験していないのに浪人時に国公立大学志望に変更することです。

どこでも良いから国公立大学に入りたいと言いうのなら、現役合格している併願校に入っても同じことです。ましてや、国公立大学の上位校を狙うことは至難の業です。

ですから、基本は現役時の路線維持をお勧めします。

ただし、国公立大学志望だった生徒が、早慶上理などの上位校絶対合格を目指す場合には、本人の希望を聞いたうえで私立大学一本への路線変更も提案します。

男女の指向の違いはある

さて、大手予備校の職員を辞して10余年。時代も変わりました。

今の立場でアドバイスさせていただくならば、当然、現役か浪人かという相談にも正面から向き合っています。

私は男女差別をする訳ではありませんが、親御さんのお気持ちを察して多少回答を変えています。

男子学生には、その学生の学力、想い入れ、性格等を判断して、経済的に許されるならば浪人を勧めます。

女子学生には、なるべく現役合格した大学への進学を勧めます。

特に、女子大に合格している場合はその傾向が強いです。

その理由の最大のポイントは、面倒見がとても良いからです。

一般的にキャリアセンターが充実していて就職率が高いこともありますが、ヘルスケアや父母の会まであります。

ちょっとヤリ過ぎとの感もありますが、流石に当世を生き残っている女子大のことですから、ニーズがあるということですね。

国公立大学の学費の値上がり

国公立大学も大学法人となり、独立した経営をしなくてはならないため、学費の値上げがありました。

その結果、私立大学との学費の差は、昔のようなことはありません。

国立大学に入学したからと言って、親が気軽に支払えるほどの金額ではなくなってしまったと言うことです。

奨学金の利用を考える

現在では、国公立大学でも私立大学でも、子どもが自分で奨学金を借りるという状況を考える必要が出てきます。

親の収入にもよりますが、子どもが自分で貸与型の奨学金を国の機関である学生支援機構から借りて、就職したら少しずつ返すという方法があるのです。

そのためには、高校での成績が一定以上であるという要件があるので、『誰でも』という訳にはいきません。

やはり、大学に行くためには、高校1年生の時からキチンと頑張ることが大事だということです。

志望校を決めるポイント

最後に、これから志望校を決める諸君に一言。

志望校を決めるポイントは、何と言っても相性が一番です。

単に、偏差値や合格可能性で決めないでください。A判定が出ていたとしても、合格可能性は80%です。

それは、10人の受験生に対し、2人の不適合者が存在するということです。

相性が悪かったり、出題の傾向を分析していなかった受験生の合格の可能性は極めて低く、この2人に相当します。しかし、誰がその2人に該当するかは、模試の合格可能性では示されません。

ということで、以下の点に留意して志望校、併願校を検討してください。

試験の日程は、毎年、夏過ぎには出ることでしょうから、そのあたりまでに大学の見学に行っておくことをお勧めします。進学校になると、高校1年生の夏から活動を始めているようです。

◎相性
オープンキャンパスも良いですが、平日の大学を覗いてみてください。

特に早稲田大学は、だれでも無許可で敷地に入れることで有名です。

ここで、「なんか違うな。。。」と思ったら、学力に関係なくご縁がないものと思ってください。
大学受験は、縁(波長が合うということ)が大きな意味を持ちます。

〇受験日程
3日連続受験なんて絶対に避けてください。大事なところで勝負できなくなります。

〇併願待ちの有無
合格したところに全部入学金を払ったら大変なことになります。

〇滑り止めの絞り込み
行きたくない大学を受けると、あとで迷ったり後悔します。

〇学費の総額、返済不要の奨学金の有無
親御さんには切実な問題ですね。

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