従来の学習指導要領(平成23年4月以降)
従来の学習指導要領は、以下のような日程で施行されました。
・小学校:平成23年4月~
・中学校:平成24年4月~
・高等学校:平成25年度入学生から(数学及び理科は平成24年度入学生から)
・幼稚園の新教育要領:平成21年度~
・特別支援学校の新学習指導要領等:幼稚園、小・中・高等学校に準じる
新しい学習指導要領は、子どもたちの現状をふまえ、「生きる力」を育むという理念のもと、知識や技能の習得とともに思考力・判断力・表現力などの育成を重視しています。
これからの教育は、「ゆとり」でも、「詰め込み」でもありません。
次代を担う子どもたちが、これからの社会において必要となる「生きる力」を身に付けてほしい。そのような思いで、新しい学習指導要領を定めました。
「生きる力」を育むためには、学校だけではなく、ご家庭や地域など社会全体で子どもたちの教育に取り組むことが大切です。文部化科学省ホームページより抜粋
平成29・30・31年改訂学習指導要領
・小学校において、中学年で「外国語活動」を、高学年で「外国語科」を導入
※小学校の外国語教育の充実に当たっては、新教材の整備、養成・採用・研修の一体的な改善、
専科指導の充実、外部人材の活用などの条件整備を行い支援
・小・中・高等学校一貫した学びを重視し、外国語能力の向上を図る目標を設定するとともに、国
語教育との連携を図り日本語の特徴や言語の豊かさに気付く指導の充実文部化科学省ホームページより抜粋
教育現場の対応力
さて、ここで問題になるのが教育現場での対応力です。
新しい教科書になって、やはり、大きく異なる印象を受けたのが英語です。
従来の、「英語を何年習っても話せない」教科書の編纂では無くなったということです。
習得学年の文法や語法に制限を受けない、自然な英語表現が導入されています。従来ならば高校生のGRAMMERで習っていたような構文や語法が散見されます。
確かに、実際に中学生に文章を訳させてみた場合、素直に日本語に訳しても差し支えない範囲の表現が使われていますが、とても奥の深い表現が使われているところがあります。
つまり、行間を読まなければ細かなニュアンスが分からないような高度な文章が、中学生レベルの教科書に記載されているということです。
おそらく、この細かな問題は、学校では触れられずに素通りしてしまうことでしょう。
高校入試との整合性
しかし、入試の現場ではどうでしょうか?
教科書に載っているということは、問題に使っても良いということです。
当然高校側の入試担当者も意識していますし、模擬試験にも取り入れられます。
となれば、塾などでは、そのような、学校では教えてくれないが教科書には載っている高度な表現について積極的に教えていくことで公教育との差別化を図っていくことになります。
更に、レベルの高い高校の入試問題であれば、当然の様にその点についての設問を設け、受験生のふるい分けに使います。
前回の改定から難しくなった
前回の改定で、実際に中学2年生の教科書にあった文章を見てみましょう。
神戸の震災をきっかけに、ペットと人間のふれあいの大切さについて触れた文章の一説です。
・ With my pet I can live.
あなたならどう訳しますか?
教科書の補足には「ペットと一緒に生きることが出来る。」というようなコメントがあります。
しかし、高校生で文法を習う時になって、これは『条件を表すwith』であることを習うはずです。
ですから、「ペットたちが居たから、共に辛い震災を乗り越えて生き抜くことが出来た。」
という意味になります。
この違いが分かりますか? そこで、もう一つ、同じ文章の一説です。
・They bollowed land from the city of Kobe ・・・ .
大意としては、「地元の獣医が神戸市から土地を借りて、暮らすところの無くなった動物たちを保護し、その後、新しい飼い主を見つけて縁組をした。」と言うことなのですが、何故、ここで Kobe city とはせずに the city of Kobe なのでしょうか?
和訳する場合は、「神戸市から...」と言ってしまえばそれまでですが、当然、「神戸市役所」が
土地を貸す決断をしたことになりますから、地理的な意味合いの強い Kobe city という表現では
なく、行政的な意味合いの強い the city of Kobe となっているのです。
この文章が英作文の問題で出題されたら、 Kobe city では不十分です。
ネイティブスピーカーのレベル
このような文章表現が自然に出てくるというのは、ネイティブスピーカーのレベルです。
ここまで行間を読むことが要求されるような高度な表現が出されるということは、
それを理解していないと。。。
①長文読解の問題で細かい内容を問われたときに答えられない
②英作文で〇のもらえる文章が書けない
模擬試験で得点が取れない
これは、深刻な問題です。
どういうことかと言うと、学校ではとても良い成績を修めている生徒が、実際に模擬試験を受けると全然得点ができない、ということになります。塾や学習参考書で、そこまで深く習っている生徒は難なく解けるのに。。。
確かに、教育の現場では、補助教員としてネイティブスピーカーが携わります。
しかし、彼らにとっては当たり前のことをわざわざ細かく取り上げて教えるでしょうか。
これは、「違いの分かる」教育者がキチンと教えるべきことになります。
今回の改定で学習内容が前倒しに
今回の改定では、さらに、学習内容が前倒しになりました。
簡単に言うと、部分的にですが、高校1年生で学ぶ内容の一部が中学3年生に移行した感じです。
また、中学1年生の内容は、大げさに言えば、最初から英検4級レベルの内容とも言えます。
これでは、小学校の負担は相当なものですが、実際に、子どもたちを見ていると、小学生から塾に通っていない生徒はほとんど内容を理解していない状況です。
個別指導学習塾での対応
英会話塾でも学校の内容に沿った指導がされているとは限らないので、結局、私たちの個別指導学習塾では、小学校6年生の夏から中学生のテキストを使って中学入学準備の事前学習をします。
ただでさえ、中学生になったら数学が難しくなってくるのに、英語も大変ということになると、中学入学準備が出来ていない生徒は非常に厳しい状況になります。
あなたの学校は?
さて、あなたの学校ではどうですか?
英語を使ったゲームをしたり歌を歌っているだけなら、要注意です。
ハイレベル個別指導学習塾の稲門個別アカデミーでは、無料体験授業を随時受付けています。